バスタード・ソードマン 感想 ★★★★★
これは中途半端な適当男の、あまり冒険しない冒険譚。
現代日本から転生したアラサーおっさんのモングレルが主人公の、異世界スローライフ。 転生もののお約束のチートスキル持ちかつ現代日本の知識チートもできる文明発達度の異世界転生ながら、表立ってそれをひけらかすこともなく、ただただおっさんが異世界の日常を謳歌するという
モングレルの行動原理は一貫していて、面倒ごとは避けつつ今の日常を謳歌するのを目指していそう。そのため、チートスキル持ってるけど目立ちたくないから隠すし、実力は十分あるのに冒険者のランクはブロンズに留めておいて、徴兵とかの面倒要素も増えてくるシルバー以上にはならないようにしてるし、好意を寄せられてる後輩もいる女だらけパーティから誘いを受けてもゆらがず自由なソロを貫いてるし、金持ちになれるだけの実力も知識もあるのに金持ちすぎると目立って狙われたりで面倒だから散財してお金持ってない感じをアピールしてたり
適当に生きているように見えて、新人や後輩の面倒見が良かったり、陰ながら住んでる街や国の発展に貢献したりしてるのはモングレルの人の良さが見えて好感触。あとネタバレ要素なので詳細は書かないが過去がらみの話もすごく好き。レゴールの街に受け入れられて楽しく暮らせてそうで良かったねモングレル、と言う気持ちになる
レゴールの街に住んでる人たちも、それぞれが生き生きと日常を謳歌してる感じがあり良い。冒険者の稼ぎを全て娼館通いに費やす男、猥談に全力な男冒険者たち、貴族社会から逃げてきた女冒険者カップル、バツイチ子持ち魔法狂いの天才女魔法使い、女装趣味の男たち、と字面だけで見ると残念な感じの個性的な人達も多いけど、それらの個性的なキャラクターの人たちもレゴールでは普通に受け入れられてて皆生き生きと日常を謳歌してるのが感じられるし、だからこそ、敵国のサングレールとのハーフでありサングレールの特徴である白髪混じりのモングレルも受け入れられていてそれがモングレルにとっても心地よいのかなと。実際、モングレル側もレゴールの街やそこで暮らす人々に好感を持ってそうで、レゴールの街に不利益が起こりそうな問題を陰ながら対処したり、現代日本の知識を活かした発明品を裏で流してレゴールの街の発展に寄与したり、とかは好感の表れに見える
あらすじの通り、中途半端な適当男のあまり冒険しない冒険譚、もっと言うと日常のスローライフを眺めているのが楽しい。モングレルに明確に好意を寄せてるのは後輩のライナ一人で、ヒロインレースで脱落するとかもないし、鬱展開とかもないので、安心してこの異世界の日常に浸れると言うのが心地よい
独身貴族は異世界を謳歌する(Amazonリンク)、とか、左遷錬金術師の辺境暮らし(Amazonリンク)、とかが近い読後感。最強能力を持った男が主人公だがその能力を戦闘とかでひけらかすわけでもなく日常を謳歌している、主人公含め登場人物それぞれが生き生きとしている、恋愛要素はなくはないがメイン要素ではない、あたりが共通してて、疲れた時とかにその異世界の日常を眺めてたくなる
こういう作品もっと増えてほしい